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皆さまこんにちは、藤安です。
さて、お待ちかね(?!)の僕の連載第2回目です!
今回登場していただいたのは、今や関西アート界の底上げには欠かせない存在となっている若きコレクターの佐近利幸さんです。
彼は会計事務所を経営しながら、地域芸術祭の実行委員や芸術文化に関するNPO法人の監事を務めるなど、とても意識的、精力的にアートと関わりながらご自身の活動を展開されています。
そして、今回彼が選んだのはこちらの作品です。
被写体となっていただいた彼女たちを彼からご紹介していただいたという縁もありますので、この作品を選んでいただいて僕自身少し感慨深いものがありました。
しかも、今回は大きめのアート作品を和室という空間に飾ってみるという難しい試みの中、様々なことを考えさせられました。
【Q&A】
Q.1
普段からアート作品を部屋に飾ったりしますか?
するのであればどのような作品を飾っていますか?
A. この和室に限らず、自室や事務所にもアート作品を飾っています。作品はしばしば架け替えるのですけれど、そのとき一度作品を壁から降ろしますよね。静かな作品であっても、それがない部屋は驚くほど寂しくなる。作品が空間を変える力ってすごいんだなあと、そのたびに思うんですよ。
Q.2
部屋にアート作品を飾るとして、その時の選定基準を教えてください。
たとえば、どういったところにこだわりますか?
A. 「いやいや、こんなに素敵な作品を飾れるような家ではないし……」と初めは殊勝なことを思ってもいたのですが、これがそうでもなかった。住めば都というか、飾れば都。プロの展示は美術館やギャラリーでみることにして、家ではまずアート作品がそこにある幸せを感じて楽しんでいます。つまり、まず大好きな作品を選んでいます。
Q.3
アートの中でどの分野が好きですか?
好きな作家さんも含めて教えてください。
A. みんな大好き。と言うと八方美人も過ぎますが、本当です。あの手この手で表現するのがアートですよね。絵画だ、音楽だ、パフォーマンスだ、そんな表現手段の違いではなくて、わたしがその作品と向き合うときに、なにかしら心動かされる体験になるかというのがポイント。素晴らしい出会いを求めていつもわくわくしています。
Q.4
今回、empathizeシリーズの中からこの作品を選んだ理由は?
A. この作品に写っているのは、三尾あすかさんと三尾あづちさん。双子の姉妹はそれぞれがアーティストで、合作をとても多く描いています。交換日記のようにふたりを行き来したキャンバスは、それぞれの個性が掛け合わされてとても面白い作品に仕上がるのです。藤安さんとぼくが出会った頃、彼はempathizeシリーズの被写体を募っていました。そのとき紹介したのが彼女たちです。すると、藤安さんも彼女たちの作品に以前から、とても興味を持っていたのです。今回は、そんな縁のありますこの作品を選びました。
Q.5
今回、自分の部屋に写真作品を飾ってみていかがでしたか?
A. これは、ひとを撮った写真ですよね。そして、選んだ作品はそこそこに大きいです。するとまるで、そこにひとが居るような存在感が感じられます。作品を飾って、実はちょっとだけ緊張しています。
Q.6
empathizeシリーズは日常のライフスタイルの中に溶け込む可能性はありますか?
A. あると思います。でもこの作品はまだお客さん。とくにempathizeシリーズの多くは、写っているそのひとが無表情でしょう。とっつきやすくはない。けれど、ずっと一緒に生活するならそれがいいですよね。時間をかけてみえてくるものがあるという予感もあります。家に飾ってみて、よくわかりました。
Q.7
今後、アート作品を購入して部屋に飾ってみたいですか?
そうであれば、どのような作品を飾りたいですか?
A. ポートレート写真を飾ったのは初めての体験で、なにごともチャレンジしてみなければ実感できないことばかり。「おもしろいけれど、家でどう飾るんだ!?」っていう作品にも挑戦してみようかなとも思えてきました。
Q.8
ぜひ、感想やご意見をご自由にお願いします!
A. 楽しいですよ、アートのある生活。数年前に買ったお気に入りのコートは、残念ながら擦り切れてしまいましたけれど、同じ頃に同じくらいの価額で手に入れたアートは、今日も生活を豊かにし続けてくれています。そしてアーティストもまた、かけがえのない友人になりえるのです。もちろん、コートも必要ですけれどね。
アートをまえにして、気の利いたコメントなんて必要ない。そんなことは評論家に任せておきましょう。ぼくらは、友人に「こんど、うちに遊びにきませんか?」という気楽さでアートと仲良くすればいいのです。
最後に、わたしがアートを手にいれるきっかけになった「アートフェア」を紹介させてください。アートフェアとは、たくさんのアートギャラリーが集まり、アート作品を展示販売をするイベントです。わたし自身、初めてのチャレンジとして最適でした。みなさまが好きになるアート作品も、きっとここでみつかるでしょう。まずは、リラックスした散歩のような気持ちでお出かけください。お友達などと、わいわい楽しむのもおすすめです。以下には、このようなアートフェアをいくつかピックアップしました。
いまから間に合う、今年開催
ART OSAKA 2015 http://www.artosaka.jp
ART NAGOYA 2015 http://www.artnagoya.jp
神戸アートマルシェ 2015 http://www.art-marche.jp/2015/
来年開催予定(本年度の会期は終了しています)
ARTFAIR TOKYO http://artfairtokyo.com
ART KYOTO http://www.chokyoto.com
お読みいただきまして、ありがとうございました。あなたにとって、この藤安さんの連載がアート作品と暮らすきっかけになれば、わたしも嬉しいです。
佐近さん、アートに出会えるイベントの情報まで教えていただいて本当にありがとうございました!
コレクターという立場の方の意見はなかなか聞く機会も少ないので、いろんな話を伺うことができて自分自身とても楽しめました!
やはりコレクターの方はアートの楽しみ方、普段の生活への取り入れ方が 上手だなぁ、と感じました。
ご自身の中に文化の核となるような部分をとても自然に形成している感じです。
そこらへんも含めて、作品を制作するということについてももっと突き詰めて考えていきたいと思いました。