はじめてのティルマンス。
グーテンターク!
いつもは、変なカメラを紹介するたなかですが、今回は、大阪で開催中の「ヴォルフガング・ティルマンス」展を見に行ってきたので、そのことを書こうと思います。写真のクロウトの方から見たら、何言ってんだい?なことも多々あるかと思いますが、ご容赦を。
ヴォルフガング・ティルマンス。一体何ものなのか、ということですがドイツ出身の写真家の方です。ドイツっぽい音ですよね。現代美術界のスターの一人です。
展覧会につくと沢山の冊子やジャケットといった、ティルマンスの写真が使われた媒体と写真集がずらっと並びます。
出口に作品集があることはあっても、入口に並んでいるのは新鮮です。
ここで、たっぷり作品を見るもよし、中に入ってからじっくり見るもよし。
身近な媒体から入って、大判の作品を見ると「これさっきみたやつだけど、印象違うな…」と感じます。
本の形で綴じられているときと、単体で見るとき、サイズや見え方が変化することでガラリと印象が変わるのを再認識します。
作品は、何気ない風景のようなものから、新聞のスクラップ、夢の超音速旅客機「コンコルド」が飛ぶ風景。はたまた、太陽の黒点?を追ったものまで、美しい上に、彼の目を追体験するドキュメンタリーのよう。
あとで知ったのですが、天文学に魅せられ、そこから社会・政治への興味が生まれ、写真表現にいきついたそうです。
彼の生涯はこちらの特設サイトに詳しく書かれています。
http://wired.jp/special/2015/tillmans/
インクジェットプリントで出力された作品が、目玉クリップで挟まれ、釘を打ってとめる、軽やかな展示方法や、紙を曲げて生まれる光と影を写真に収めた作品、写真集自体の紙質など「紙好き」にも刺激になるポイントが沢山ある展示になっています。
メッセージや表現したいことの「手段」として写真を選んだというよりは、現代美術の文脈に登場した「写真」の表現者という印象がしました。
あとは、なんだか「白いブリーフ」が頭から離れません。
(これは行ってからのおたのしみ)
美術館を出たあとに、鳩にスリッパを飛ばしていた子どもがいて、警備のおじちゃんが
「そんなんしたら、鳩可愛そうやでー、僕、あかんぞやめたりー。」
とたしなめていたのが良かったです。大阪ならでは。
というわけでじっくり見ると2時間コース、しかも900円でこのボリュームかい、さすが大都市やで…という意味でも驚いた展覧会、オススメです。
以上、たなかみのるがお届けしました!
<詳しくはこちらから>
http://www.nmao.go.jp